トウキョウソナタ

トウキョウソナタ
だいぶ更新が滞ってしまった…
書きたいことはあれど、そして、殺人的に多忙で書く時間を取ることがないというほどの状態でもないのだけれど、なんだかんだで間が空いてしまった。
純粋に肉体的な体力とは異なり、文章を書くように、自分の外側に何かを出すために必要とするパワーを、日々いろいろな事柄で少しずつ消耗しているような気がする。

だいぶ前に観たこの『トウキョウソナタ』、黒沢清監督が日常に根ざすドラマを撮るということで期待していたが、正直言って『アカルイミライ』ほどのインパクトや胸に迫るものは薄かったように思う。
(ホラーでは無い黒沢作品のタイトルは、何故カタカナなのだろう?『ニンゲン合格』もそうだ)
日常のどこにも”穏やかな生活”など存在しないと言わんばかりの描写…巻頭から続く室内の不自然なライティングも、恐ろしくねっとりと不気味に描かれる「行列」も、日常を不可思議に歪めるための効果としては心地よいのだけど、もうひとつどこかしっくりと来ない感があるのはどうしてだろう。
家族の問題とは結局のところ、個人の問題の中にしか存在しない。そんな風に、各々バラバラな問題を抱え、さまよう人々。

ニンゲンは家族である前に個人であるという事実を、「唐突」というリアルさで貫き抉り出す「ホームドラマ」は、この先どこへ向かうのだろうか。

3.6

鑑賞メモ

シネカノン有楽町1丁目

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